〜ぼくが買った本とぼくが読んだ本〜

7月8日(木)/おおげさなタイトル

 表参道に出かけた行き帰り、電車の中で読んだのが月本祐「競馬熱病時代」。ドキュメント競馬小説というふれこみで1993年のシーズンを舞台に話が展開する。でもこれがタイトルや装丁からイメージされる迫力ある話ではなく、どちらかというと軽いヒマつぶし的な小説だった。ストーリーは調子がいいというか平坦というか、盛り上がらないまま進んでいく。それをおぎなうためにウンチクめいた話が出てくるのだが、ある程度キャリアのある競馬好きにはさして意味のない内容であり、かったるい。行きの電車でこりゃいかんなと思い、帰りの電車ではもう流し読みに徹した。これで熱病時代なんて、競馬好きをナメてないかい。どうせ軽いのなら新橋遊吉のような圧倒的な調子の良さで娯楽に徹してほしいものだ。

 ニューヨークからの帰国便で読んだ「死の蔵書」は古本屋の世界が舞台でその点が興味深かったけど、これが2、3年前の文春ミステリー第1位 だったというのは納得できない。ミステリーを読み慣れていないぼくにとってはトリックもさしておもしろくなく、話も単調に思えてならなかった。最後まで読んだのだからつまらないことはないんだけど、もっと期待したなあ。つうわけで2作連続の期待はずれ。明日は久々に古本屋にでも行って、おもしろいのをピックアップしてくるかな。

7月10日(土)/気合いが入らないってのもいいもんだ

 遅くても秋には始めようと思っているオンライン古本屋で売る本をそろそろ集めねばなあと思っている。それで今日はすでに持っている「いちど尾行をしてみたかった」「東京ゴミ袋」を買ってみた。古本屋での購入だが、状態のいいモノは見かけたときに買っておかないと、あとからなかなか手に入らない。まあ、古本屋で買っているようでは杉並北尾堂が売るときにも買った値段程度でしか売ることはできないので、本当は買い取りか古本市で安く購入するのがいいんだけど、両方とも絶対に必要な本なのでしかたがないのだ。

「元祖AVスカウトマン ヨッちゃんが行く!」が届いた。チョイ役で出演したVシネマ「AVスカウトマン伝説」(もうすぐレンタル開始のはず)の原作ってところかな。これがなんとも気合いの入らない本で、あっという間に読了。するすると最後まで読めたってことは、おもしろいってことなんよね。見事だ。山中伊知郎、この本では自分はまったく目立たせずにヨッちゃん一本槍で攻めている。著者略歴すらない。そのへんの割り切り方がさすがというか、きっちり単打を狙ってきたというか。風塵社もできれば部数を刷って、書店の目立つところに並べてほしいと思う。

本日の購入本:「なぜ写真集が好きか」(片岡義男)「バクチの人間学」(森巣博)ほか2冊

本日のいただき本:「元祖AVスカウトマン ヨッちゃんが行く!」(山中伊知郎/風塵社)

7月11日(日)/粘り強く移籍で生き残る

「万馬券二季報」といえば自由国民社から年2回でていた万馬券専門のシリーズ。それが今度から東邦出版で発売されるようになった。基本的に内容は同じであり、単に版元が変わったというパターンだ。こういうのはけっこう珍しいのではないか。制作を編集プロダクションが一括で請け負っているからできるのかもしれない。版元はあくまで発売元であるというわけですね。したがって「もう発売したくない」あるいは「制作費がかかりすぎる、まけろ」なんて言われたらケツまくって、価値を認める他の発売元から出すと。この本がそうであるかどうかはわからないけど、そういうことが可能なのであります。じつに素晴らしいことだ。ぼくは全面 的に支持ですね。ぜひ売れて、今後とも万馬券ファンを楽しませてもらいたい。雑誌の連載記事なんかも、休刊や連載打ち切りにめげずによそで続くものがもっとあってもいいよな。そういえば、ぼくの「365歩のマーチ」は「裏モノの本」で始まり、同誌が休刊して版元が変わり「裏モノマガジン」で再開、さらに誌名変更により現在は「裏モノJapan」で続行しているんだった。

 それにしてもこの本を見て思うのは、万馬券的中者には100円単位で買っている人が多いってことだよな。500倍馬券を当てるのはそりゃすごいが、100円じゃ5万円だよ。これは50倍馬券を千円、5倍馬券を1万円当てるのと配当金は同じである。でも万馬券だから本になり、万馬券だから買う人がいる。おもしろいもんだ。

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