雑本日記

〜ぼくが買った本とぼくが読んだ本〜

3月2日(火)/初めてネットで本を買った

 インターネットで注文した「舶来ギャンブル放浪記」(樋口修吉)と「続 懸賞打ち」(江崎誠致)が、羊頭書房からさっそく届いた。申し込んだのがおとといなのだから、とても対応が素早いし、本の状態も悪くない。古本マニアではなく、ただ自分が好きなタイプの本を買ったり読んだりするのが好きなだけのぼくとしては、ぶらぶら古本屋歩きをするのも楽しいけれど、オンラインでほしい本を探すやり方の方がラクでいい。それで、こんなに気分よく本が届くのならなおさらだ。この2冊はいずれ読むことにして本棚にしまい、かわりに「弔辞大全」(倫書房編)を取り出してパラパラめくった。著名人による、著名人への追悼文ばかりを集めたヘンな本だ。近しい人の手によるものだから、雑誌や新聞に発表されたものとはいえ、かなり本音で書いている感じがする。いろんなエピソードが書かれていて、ふ〜んと読んでいたけど、だんだん気分が重くなって読めなくなった。ちょうど色川武大のところだったので、気分転換に阿佐田哲也の「ドサ健バクチ地獄」を読む。

3月4日(木)/古本屋でコーヒーを2杯

 押入れにあった紙袋を覗いたら、すでに持っているムック本が15冊ばかりでてきた。なんでこんなのがあるんだろうと考えたんだけど、買った後に出版社から送られてきたり、自分が執筆しているので誰かに読んでもらおうと買ったものだろう。同じものを2冊持っていても仕方がないから、午後から近所の古本屋「スコブル社」に売りに行くことにした。買値は1500円。まあそんなものだろう。そのお金で本を一冊買うことができたし、コーヒーをごちそうしてくれたところをみると、お互いによかったってことかな。そのまま帰宅するつもりが、家まで1分というところにある古本カフェ「ハートランド」をチラリと見たら、店主の斉木さんの顔が見えたので寄ってしまった。「AMERIKANBOOKJAM」の創刊号を入手。ここには「廃本研究」を置いてもらっているので、売れ行きも気になる。「廃本研究ホームページ」や、年末のコミケで43冊売れたのはよかったけど、ノーギャラで作品を提供してくれた執筆者にお礼として5冊ずつ渡すと、850冊ほど余ってしまい、仕事部屋に山積みになった。それで困ってしまい、この店に7割の卸値で15冊置いてもらったのだ。それがだいたい売れたため、いまは追加でまた扱ってもらっている。

 幸いミニコミ作りとコミケについての記事をダ・ヴィンチに書き、通販の募集をすることができたため、「廃本研究繧50冊ほど売れて、だいぶ減ってきた。とはいえまだまだ残っている。せめて半分は売らないと、協力してくれた人たちにも申し訳ないし、2号目を出そうって気力もわいてこないよな。

 コーヒーを注文して話をしているうちに、また本がほしくなってくる。

本日の購入本:「ブルースの歴史」(ポール・オリヴァー)、「人はなぜ探偵になるのか」(つるいみつまさ)、「マルベル堂のプロマイド」(マルベル堂)、「記憶を消す子供たち」(ノレア・テア)、「行動派の整理学」(鈴木邦男、遠藤誠)。「行動派の整理学」では友人の増田剛己の著書がものすごい勢いで引用されていて笑ってしまった。

3月7日(日)/ぼくがホームページを作ろうと決めた日

 今日、ぼくは「廃本研究ホームページ」を思いついた。ホームページで販売するのだ。これまで、いっぱい余ってるんだから、もっと精力的に本屋においてもらわなきゃダメだよと多くの人に言われても、まるでピンとこなかった。売り込みや納品、売上の回収の手間が面倒なのも事実だが、やる気がしなかったのは、店頭に並べる方法では東京以外で販売できないからである。もちろん手に取ってもらい、買ってもらうのが一番なのはわかってるけど、その方法には限界がある。取次を通す本と同じような流通なら、どこか出版社にでも売り込んで流してもらうほうが早いのだ。

 通販という方法なら話は別だ。売れるかどうかはわからないとしても、やってみる価値があると思う。ミニコミには出版社が作る雑誌なんかよりおもしろいのが絶対にあるはずだが、普通は流通がネックとなって部数をさばくのに苦労する。その悩みがインターネットを使えばある程度解消されるような気がする。うん、きっとそうだ。インターネットという土俵は、使いようによってはオンライン上のコミケになる。だからミニコミ制作者はどんどん通販をすればいいし、ぼくもそうしようと思うのだ。

本日の購入本:「マンハッタン・オプ」(矢作俊彦・谷口ジロー)「コカコーラ・レッスン縺i谷川俊太郎)、「競馬どんぶり」(浅田次郎)、「たそがれトランプ」(樋口修吉)

3月8日(月)/神保町はどうも好きじゃないな

 取材で神保町にいき、3時間ほど時間が空いてしまったので、久しぶりに古本屋を見て歩いた。「かんたんむ」という店で何気なく棚を見ると、植草甚一の「ぼくは散歩と雑学が好き」があるではないか。表紙がボロボロで1800円。これは高いのか安いのかわからないが、読みたいなと思って購入し、「伯剌西爾」でコーヒーを飲みながらパラパラ。活字がギッシリで読みごたえがある。植草甚一は好きだが、本を集めるのはもういい気がする。一時はスクラップブックを全部集めてやるぞと意気込んだくせに飽きっぽい。でもぼくは収集家ではないから飽きたらやめる。

 それにしても神保町は息が詰まるな。古本屋はいっぱいあるけど、ぼくが好きなタイプの本はあまり見つからないし、古本屋オヤジはいばっているし、あまり好きなところじゃない。ここを好むのは愛書家だったり収集家だったりするんだろう。ぼくには古くさく感じてしまう。

3月10日(水)/タイミングのいい原稿の依頼

 別冊宝島のゴトウ氏と会う。きのうメールで仕事を依頼されたのだ。テーマは偶然にもインターネットでお金を稼ぐとか、そんなやつ。ちょうどこれからホームページを作って「廃本研究」を売るつもりだったと言うと、じゃあそのことを書けばいいとのこと。売れなければ売れないで、それを正直に書いてくれとの注文である。うむむ、そうか。断る理由は見当たらないな。パソコンは大の苦手で、インターネットもどうすれば作れるのかさっぱりわからないぼくとしては、やらざるを得ない状況に追い込まれることはむしろ助かるのだ。

 深夜、原稿を書き始めたが、インターネットのことが頭から離れず、さっぱり進まない。あきらめて、買ってきた本を拾い読みするうちに眠くなってしまった。ハズシたな、今日の買い物は。

本日の購入本:「文学館ワンダーランド」(メタローグ)、「サンバの町から」(上毛新聞社)、「戒名 なぜ死後に名前を変えるのか」(島田裕己)。いただき本:「オンライン書店の誘惑縺i津野海太郎)

3月11日(木)/最近のぼくは決心ばかり

 また決心した。ぼくはいずれ、オンライン古書店をやろう。

 オンライン古書店はものすごくいいアイデアだ。すでにいっぱいある。なんといっても無店舗で素人が始められるのがいい。これは楽しい遊びになるぞ。どうすれば楽しいかはいずれ書くけど、そうだなあ、今年中くらいを目標に考えてみよう。

 そんなことを夢中で考えているから、昨夜に続き、まったく原稿が書けない。金曜の締め切りも守れず、結局ダ・ヴィンチの横里くんに電話で平謝りして、月曜まで待ってもらうことになった。

本日のいただき本:「アフリカ喜・気・樹 板垣真理子)

3月12日(金)/天井桟敷のヴィデオプログラムが200円だった

 締め切りが延びると、とたんにダラダラしてしまうのである。気分転換と称して散歩に出てしまうのである。雑貨店の「サパナ」でイラストの個展を見て、アートショップの「ミドバニ」へ。ぼくと同じファイターズファンである末吉晴男の時計展をのぞきにいくが本人がいない。正確には末吉はファイターズファンでぼくはファイターズ応援団のファン。開幕戦を一緒に見に行くことになっている。今年のファイターズはどうかな。去年は秋になって急降下して、笑わせてくれたからなあ。今年も期待したい。

 末吉の時計はほとんど予約がいっぱいで、順調に売れたようだ。とてもヘンな時計を作るから、いずれ、ぼくも買いたいと思っている。バイトの葛西くんとバカ話して、最後に「ハートランド」でコーヒー。今日の出物は天井桟敷のヴィデオプログラム。500円のラベルがあったのに「200円でいいよ」と言うのである。つまり、どこかで500円で買ったものを誰かが持ってきて、「ハートランド」は数十円で買ったんだろうな。ちょっとトクした気分。

 夜は例によって買った本をパラリンコ。週末も合間を見てはニタニタと読む。さらにこの週末は大量の馬券本を後楽園の山下書店で購入。仕事用の資料だけど、これでまた眠れなくなってしまうなあ。

本日の購入本:「アジア映画に見る日本1縺u欧米映画に見る日本」(門間貴志)、「私はクラゲになりたい」(チチ松村)、演劇実験室「天井桟敷」ヴィデオアンソロジーのプログラム(UPLINK)

3月18日(木)/できるのかホームページ

 ホームページがまったくすすまない。プロバイダに電話して、最低限の必要なことは、手元に揃っているという事実はわかった。でもそれだけじゃ作れはしないだろう。ともかく、アップロードする原稿を書かなければならない。

 自分の能力と更新の手間を考え、なるべくシンプルな構成にしたいと思う。当面、やりたいのは「廃本研究繧健叶M販売と、この日記の掲載だ。それ以外のことは、始めた後でボチボチやればいい。そうしないと、いつまでたっても先に進めない。

本日の購入本:「地獄のアメリカ観光」(映画秘宝)。ラス・メイヤーとジョン・ウォータースのインタビュー目当てで買った。古本屋で500円。

3月19日(金)/ゲリと「渋沢家3代」

 朝から真面目に仕事をしたのは、夜に用事があったからだ。ところが打ちあわせ時に食べたスパゲティがもたれたのか、3時頃から腹具合がおかしい。ヤバイなと思っているうちにお約束のゲリになった。便秘をこじらせてのゲリである。ゲリのなかではマシなほうだが、けっして軽い症状ではない。こうなると回復に半日はかかる。よって、欠席。ふとんに横になってじっとしていることにした。佐野眞一の「渋沢家三代」を読む。ぼくは彼の「旅する巨人」を読むまで渋沢栄一も、敬三もまったくしらなかった。いまでも佐野眞一が描く渋沢一族の像しかしらないが、日本にもこういう人がいたのかという気になる。そういえば去年のGWに飛鳥山公園へ行き、渋沢家の記念館などあるのを見て、渋沢栄一の晩年の住まいだったのかと思ったんだっけ。読んだ後にテレビをつけ、都知事選候補者達が揃って出演しているのを見て、選挙に対する興味が薄れていることに気がついた。

 明け方までホームページ用の原稿書き。この日記も、本の購入メモを見ながら昨日と今日でまとめてかいたものだ。その間隙を縫って「ぼくに老後が来る前に 永井明)。51歳の著者が80歳のばあさんに化けて町へ出る。なんかおもしろそうでしょう。だけど……。

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