2006年:漫画ナツ100

今更いく所が無い、では漫画を読め。
この際名作漫画を読破しておくのも一つのベストな選択かも知れない
しょうがない時もある!!!


主催:酔拳の王 だんげの方

●マンガ選考基準
・連載が終了しているもの。
・連載中のものは20巻以上発行されている物
・現在でも比較的手に入りやすい、読みやすいもの。(古本屋とか漫画喫茶とかで手に入る 読める)
・最低ラインは50個です。(100個選べない人用)

■追加基準:1作家1作品

※巻数は、出版社、文庫化等で大幅に変わることがあります。あくまで目安としてご覧下さい。


67:まあじゃんほうろうき(全4巻)/西原理恵子
漫画界の爆発姐さんといった感じの自滅型キャラクターを確立している作者の、出世作である四コマ漫画。最初の頃の泣き虫で子供っぽいキャラクターがどんどんスレていき、現在の強烈なキャラクターに変貌していく様が面白い。

68:アフター0(全10巻)/岡崎二郎
どこか星新一的匂いのする、上品で良質なSFショートショート漫画集。暖かみのある線でほのぼのとした不思議話が描かれており、読後の爽快感、安心感のレベルは総じて高い。

69:デスノート(全12巻)/大場つぐみ&小畑健
こんな面倒くさい話が少年誌で掲載され、かつ大人気というのが凄い。過激なファンや美麗すぎる絵に引く人もいるだろうけど、緊迫した心理戦やギリギリのところでの緊張感は大いに読みごたえがあるので押さえておくべき。

70:花男(全3巻)/松本大洋
「鉄コン筋クリート」や「ピンポン」で独自の作風を見せた松本大洋の出世作。松本太陽の作品は白痴的天才やんちゃ坊主が出てくるタイプが多いけど、これは白痴的野球バカ親父である花男と、ひねくれた現代っ子である息子との心の触れ合いを描いた作品。



71:ドミニオン(全2巻)/士郎正宗
「攻殻機動隊」「アップルシード」で高名な作者の、近未来警察戦車隊の話。「アップルシード」が世界の構築から始まっていて、様々なキャラクターや勢力の思惑が入り乱れて複雑になっているのに比べて、ドミニオンは盗賊vs警官という単純な図式のおかげでぐっと読みやすくなっている。

72:アナルジャスティス(全2巻)【18禁】/上連雀三平
アニメっぽい絵柄の正統派エロ漫画かと思いきや、常識が吹っ飛びすぎている価値観と、頭がおかしいとか言いようがないセリフ回しには抱腹絶倒せざるをえない。いわゆる18禁行為もしてはいるが、既にふたなりや人前での射精が日常的になっている世界なので背徳や淫媚などという雰囲気とは程遠く、僕はチンピクすらしませんでした。

73:エロ漫王(全1巻)【18禁】/有馬○太郎
エロ漫画の出版社に入社した女の子が、様々な変人漫画家に振り回される様をギャグタッチで描いているんだけど、登場する漫画家にどうにも見覚えのある連中がいたり、異常なファンの奇行が紹介されたりで、業界裏話として面白い。読んでいるうちに興味もそちらに行ってしまうのでこれまたチンピクなし。

74:OL進化論(25巻続行中)/秋月りす
四コマ漫画の大家である秋月りすの長期シリーズ。ほのぼのとしたOLの日常漫画でありながら、一般社会人の抱えるちょっとした気苦労なども上手に描かれており、「35歳で独身で」がシリーズ化しているあたりも、未婚者の増加が問題になっている現代にマッチしてる。

75:でもホントはカバが好き(全1巻)/桐嶋たける
タイトルは当時人気だった「やっぱり猫が好き」のパロディ。同様に、同居生活をしている3人の女性のドタバタな日常を描いている。重厚なストーリーとは無縁な雑談的漫画だけど、デフォルメを強く押し出した絵柄は、イラスト的な魅力を感じる。ちなみに<完全版>の表紙の絵柄は中身と全然違うので注意。

76:マーズ(全5巻)/横山光輝
「三国志」と大いに迷ったけど、もうみんな読んでるだろうし、どうせなら横山光輝オリジナルをと思ってこちらを。地球を破壊する兵器であるマーズの孤独、そして決断に引き込まれる。

77:刑務所の中(全1巻)/花輪和一
実際に服役していた作者が獄中の日々を紹介する究極のレポート漫画。つまり登場人物はほとんどが犯罪者ということになるのだが、いい年したおじさんが夕御飯のスープの中に入っているハルサメの量で顔をほころばせたり、作業中に落とした消しゴムを拾うだけにも大声の報告が必要だったりという描写は、妙な微笑ましさを感じてしまう。

78:宇宙家族カールビンソン(全6巻)/あさりよしとお
確固たる漫画哲学を持っている作者の出世作。幼い女の子コロナちゃんが田舎の惑星で、ぬいぐるみのような「おかあさん」や、どこかズレているが怒ると恐いロボットの「おとうさん」、そして一癖も二癖もある仲間と暮らしていくという、NHK教育番組にありそうなほのぼのした世界でありつつ、要所要所でそれを維持していくための苦労や哀しみ、危ういからこその家族の絆の強さが描かれているエピソードもあり、油断できない。

79:コミックマスターJ(全13巻)/田畑由秋&余湖裕輝
高額の報酬で漫画家のピンチを救う伝説のアシスタント…という明らかなバカ設定なんだけど、その熱血ぶり、本気ぶりは完全にシリアスで、結果として実に妙な世界が作られている。登場してくる漫画化のプロ意識や異常な熱さは見ていて嬉しくなってくるよ。

80:ワンピース(42巻続行中)/尾田栄一郎
少年漫画の王道を行きつつ、衣装などのセンスは独自で実にオシャレ。主人公たちが理屈抜きで最強であるがゆえに戦闘シーンは退屈になりがちだが、そこに至るまでの出会いと別れ、そして人の想いを軸にしたドラマは情熱的かつ感動的で、単純に泣かされる。



81:つっぱり桃太郎(全6巻)/漫☆画太郎
グロ、シモ、ばばあ、そしてコピーを自在に使いこなし、独自の道を切り開いて行く作者の相変わらず酷すぎるギャグ漫画。この人の漫画はどれも面白いんだけど、タトゥーのおかげでこれが僅かに頭が出ているかな。

82:笑う大天使(全3巻)/川原泉
お嬢様学校を舞台に、我が道を走る女の子3人が織り成す青春ドラマ。古いタイプの少女漫画をシニカルな視線でネタにしつつも、しっとりと読ませる展開を用意するあたり上手さを感じる。

83:天才バカボン(全21巻)/赤塚不二夫
バカボンのパパやイヤミなどの愛すべきキャラクターもさることながら、漫画的にはむしろ実験的なムチャさやバカバカしさっぷりに感心させられる。作者本人の奇行っぷり、アル中っぷりが有名だけど、漫画を読んでしまうと、いわゆる天才、異才の人なんだから多少ヘンなのはしょうがないよな…となってしまうはず。

84:がきデカ(全26巻)/山上たつひこ
「死刑」「八丈島のきょん」などなど、とにかく一発ギャグの豊富さは他に類を見ない。どうしようもなく下品な中にも、どこかインテリ的な雰囲気を感じてしまうのは何故だろう。ちなみにアニメ版のOP歌詞は「又にダイコン、お尻にゃゴボウ、ナスビのツヤは無敵なのだ」という感じでこれまた下品。というかよくこれがアニメになったな。

85:おーい竜馬(全23巻)/小山ゆう
実力派漫画家小山ゆうの歴史もの。素材が竜馬ということでキャラ的魅力は保障付き。小山ゆう独特の土臭さ、人間臭さが溢れる絵柄、そしてオーバーめの表現も、偉人奇人が多数登場する幕末の雰囲気にマッチしている。

86:タイガーマスク(全14巻)/辻なおき&梶原一騎
古臭い絵柄で敬遠しがちだけど、いま読んでみるとそこも含めて味になっている。孤児院を救うお金のために進んで悪役レスラーを演じるタイガーマスクの悲劇。多彩な殺人レスラーとの戦いよりもむしろ、タイガーの苦労、苦悩っぷりに引きこまれる。

87:大猟奇(全1巻)/唐沢俊一&ソルボンヌK子
雑学家として有名な唐沢俊一原作の、猟奇事件や雑学を集めた雑学本。漫画としての完成度は正直低いんだけど、次々と出てくる猟奇話はやはり興味深いものが多い。ウンチクや都市伝説などが好きな人に。

88:人類ネコ科(全3巻)/みず谷なおき
若くして亡くなった作者の代表作。いわゆるアパートもののラブコメで実に呑気なんだけど、女の子のかわいらしさ、一見単なるマジメだけなような主人公の芯の男らしさなど、実に良心的。婦警が主人公の「ブラッディエンジェルス」もぜひとも。

89:やす子の太陽(全4巻)/山浦章
オタクっぽいながらも、昭和を感じさせる暑苦しい独自の絵でバカなことを描くスタイルを持つ作者の四コマ漫画。無職のダメ人間であるお父さんや、元傭兵のお母さんなど、無茶苦茶なキャラが入り乱れている。下らないダジャレや見え見えなネタも多いんだけど、絵の力で押し切ってしまうパワーがある。

90:マップス(全17巻)/長谷川裕一
一見なんてことない普通の少年が、突然現れた女神の形をした宇宙船と、その頭脳であるアンドロイド美少女と共に銀河を救う冒険の旅に出るという熱血系SFジョブナイル。絵柄は勢いがありすぎて見づらい感もあるけど、すぐに慣れると思う。



91:恋の門(全5巻)/羽生生純
異様ながら存在感のある絵柄でお馴染みの作者によるオタク恋愛物語。電波の入り込んでいる二人の生々しい迷走っぷりに、嫌悪感と恐ろしさを感じながらも引き込まれる。

92:ブレイクショット(全16巻)/前川たけし
「鉄拳チンミ」でおなじみの作者によるビリヤード漫画。派手な必殺ショットを引き下げた様々なライバルとの対決はビリヤード的に見たら荒唐無稽なものの、対決漫画としては実に面白い。

93:月刊フリップ編集日誌(全2巻)/小坂俊史
四コマ王子小坂俊史の出世作。マンガ編集部を題材にした四コマ漫画で、新人編集者である主人公のダメっぷりが楽しい。この人の四コマ漫画は、親しみやすい絵柄に、ショボい(褒め言葉)毒が含まれていて、実に読みやすい。「せんせいになれません」もお薦め。

94:寄生獣(全10巻)/岩明均
人間に取り付いて脳を乗っ取り、他の人を襲うようになる化け物と、取り付かれてしまったものの脳は乗っ取られずに、その化け物との共存をするようになった主人公との戦いが描かれる。生物の種としての人間の身勝手さなどが掘り下げられた重厚なストーリーに、主人公と化け物との友情も絡まって読み応えは十分。

95:AKIRA(全6巻)/大友克洋
基礎知識として読んでおくべき。質の高いアニメもあるけど、ラストが漫画とアニメで真逆といえるほど違う。個人的には漫画版の方が好きかな。

96:風の谷のナウシカ(全7巻)/宮崎駿
漫画とアニメが別物というのは当然の話で、世界の構築劇として行くところまで行っている原作を、そのまま時間的にも技術的にも制限の多いアニメとして作っても、決して宮崎駿的な気持ちいいアニメにはならなかったろう。別の人が書いた原作を変に解釈したあげくアニメにして潰したというわけでもなく、いわば作者の中にある「ナウシカ熱」とでもいうものをどう表現したかの違いだと思う。つまりは両方見れ。

97:魁!男塾(全34巻)/宮下あきら
民明書房、無茶な理論全開のバトル編の熱さもいいけど、個人的には冨樫がムチャやっててただひたすらに笑える初期のあたりも好きです。

98:忍者武芸帳 影丸伝(全17巻)/白土三平
忍者漫画の代表格。どこかしら科学的に理屈の通っている忍法による壮絶な対決劇は、凄惨でありながらどこかロマンチック。枯れ葉の匂いがするような絵も魅力的。

99:国民クイズ(全2巻)/加藤伸吉&杉本伶一
迫力とスピード感のある絵柄に引き込まれた。クイズに優勝することで何でも叶うという。狂気とも言える異常な価値観が面白い。

100:巨人の星(全11巻)/川崎のぼる&梶原一騎
「いなかっぺ大将」と作画はかぶるけど、むしろ梶原一騎漫画の代表として。大リーグ養成ギプスやちゃぶ台ひっくり返し親父などの記号の方がよく知られているけど、漫画としても実に読みごたえがある。野球界で生き残るために死にもの狂いであみ出される魔球、そしてそれをどう破るかという対決劇は読みごたえ十分すぎ。今どき通用しない根性論漫画だろ?などと勘違いして手を出さないのはもったいなすぎる。


漫画ナツ100:01〜33へ
漫画ナツ100:34〜66へ

一流ホームページ