2006年:漫画ナツ100

今更いく所が無い、では漫画を読め。
この際名作漫画を読破しておくのも一つのベストな選択かも知れない
しょうがない時もある!!!


主催:酔拳の王 だんげの方

●マンガ選考基準
・連載が終了しているもの。
・連載中のものは20巻以上発行されている物
・現在でも比較的手に入りやすい、読みやすいもの。(古本屋とか漫画喫茶とかで手に入る 読める)
・最低ラインは50個です。(100個選べない人用)

■追加基準:1作家1作品

※巻数は、出版社、文庫化等で大幅に変わることがあります。あくまで目安としてご覧下さい。


34:ジャングルの王者ターちゃん(全20巻)/徳弘正也
どうしようもなく下らない下ネタで開始しておきながら、途中から重厚なドラマ変に突入。「シェイプアップ乱」はあまり入り込めなかったんだけど、ターちゃんはかなりハマりました。とんでもないブスであるはずのジェーンのいい女っぷりが光る。

35:北斗の拳(全27巻)/原哲夫&武論尊
最近はパチスロで活躍してるけど、やはり面白いこの漫画。北斗神拳というギミックは子供っぽいけど、男達の命を賭けた生きざまは文句なくカッコいい。

36:セクシーコマンド外伝すごいよ!マサルさん (全7巻)/うすた京介
何が起きるか分からない、不条理脱力系ギャグを世に広めた功績は偉大。当時はみんな何が起きたのかとパニックになりつつ、毎週楽しみにしていました。

37:あずまんが大王(全4巻)/あずまきよひこ
もともとアニメ関係の広告で面白四コマ漫画を描いていた人がここまで認められるとは。四コマ界に与えた影響は計り知れない。そして未だにこれを超える作品はそうそうお目にかかれないと思う。現在は四コマではない「よつばと!」を描いているけど、これも同じような空気でもって楽しい。

38:MASTERキートン(全18巻)/浦沢直樹&勝鹿北星
ヒット作を大量生産している売れっ子作家の浦沢直樹の中でも、一つ挙げるとしたらこれかな。というか20世紀少年が未読なんですけど。異常なほどの知識量からくり出されるドラマは暖かく、読んでいて爽快な気持ちになる。ということは本当に凄いのは原作者なのか?しかしその原作を見事に漫画にしているのは間違いなく浦沢の力だ。とにかく読もうぜ。

39:幽玄漫玉日記(全4巻)/桜玉吉
玉吉日記漫画シリーズは全てお薦め。つげ義春などの形式を踏襲しつつ、リアルに病んでいる感じの日記を面白く描く力量はさすが。記号的でありながらも妙にエロい女の子も見逃せない。

40:GS美神極楽大作戦!!(全39巻)/椎名高志
一時期はサンデーを引っ張っていた正統派漫画家椎名高志の代表作。ボディコンに身を包んだ除霊師の美神と、そのアシスタントのダメ男横島のギャグ漫画。少年らしいまっすぐなスケベさと豊富なサブキャラはいかにもサンデーらしい。正直なとこ終盤はダレる感が強いんだけど、中盤の盛り上がりは相当なものよ。



41:アストロ球団(全20巻)/中島徳博
野球漫画全盛期のあだ花とでも言おうか。バットをわざと砕けさせて破片をピッチャーに飛ばすわ、死体を火山の火口に投げ込むわ、一球投げただけで老人になってしまうわとムチャクチャやり放題。もちろんギャグではなく本気というのが凄い。

42:こちら葛飾区亀有公園前派出所(150巻続行中)/秋本治
最近は全く面白くないんだけど、80巻くらいまでは本当に面白い。今よりもずっと悪くて、下町よりも流行を自然に追っていた両さんの姿はもう見れないのかな。

43:天才柳沢教授の生活(24巻続行中)/山下和美
天才かどうかは分からないけど、異常に真面目であり厳格でありながらも決して頑固ではない柳沢教授の、発見と観察の日々という感じの漫画。ギャグというよりは微笑ましいアクシデントも豊富で、実に心地の良い空気が流れています。

44:あしたのジョー(全20巻)/ちばてつや&高森朝雄
漫画界どころか、現実の人間にも多大な影響を与えた国民的漫画。改めて読むと、この漫画の真のヒーローはジョーではなく力石だということに気付く。そりゃ葬式も上げるわ。

45:ストップ!!ひばりくん!(全4巻)/江口寿史
「すすめ!パイレーツ」と悩むところだけど、江口寿史のセンス良い絵と、それ以上にセンスが飛んでいるホモが満喫できるということでこちらをセレクト。

46:県立地球防衛軍(全4巻)/安永航一郎
サブタイトルがウルトラセブンのパロディということからも分かる通り、多分にオタク的な漫画。特撮ヒーローやマンガを素材にしたパロディが楽しい。

47:ドクター秩父山(全3巻)/田中圭一
下品な漫画を描かせたら日本でも屈指であろう田中圭一の出世作。くだらなさすぎて笑ってしまう4コマの連発で、大いにハマるか拒否反応を起こすか大きく二分されると思う。最近は手塚タッチを身に付けて、かつ下品さは相変わらずで描いているけど、田中圭一だから…という感じで許されているのは、どこまでもシモを突き詰めている一本気な姿勢からだろう。

48:監督不行届(全1巻)/安野モヨコ
夫である庵野秀明とのオタク夫婦っぷりを描いた作品。単なるオタカップルの話ではなく、アニメ監督として高名である庵野であるがゆえに、自虐ではなくむしろ奇人として描かれているのが気持ちいい。

49:妖怪ハンター(全3巻)/諸星大二郎
無気味ながらも力を感じさせる絵で、古代史ともSFともつかない日本版クトゥルーとでも言うような奇妙な存在を描いている。絵で避けているともったいない漫画の代表とも言える。

50:怪奇版画男(全1巻)/唐沢なをき
実験的漫画を多数送りだしている唐沢なをきの中でも異色作。なんと全編版画で漫画を描いているのだ。全ての絵はもちろん、セリフや奥付まで版画というのは既に執念に近いものを感じる。発想できたとしても手間を考えたら絶対にやらないであろう手法を利用し、またそれをギャグに活かしているあたりは見事。



51:月光の囁き(全6巻)/喜国雅彦
作者はフェチ系ギャグ四コマ漫画で有名だけど、これはシリアス長篇。変質的性癖であるが故に好きな女の子に対して異常な接し方をしてしまう少年の苦悩と、少年の性癖を知り、嫌悪しながらも自らも変質的になっていってしまう女の子の物語を、ギャグを一切介入させない緊迫した空気で描いている。二人の異常な関係、苦悩、危ういプレイのスリルにぐいぐい引き込まれてお薦め。映画にもなってるよ。

52:ブッチュくんオール大百科(全1巻)/天久聖一
漫画というよりは、漫画を利用したパロディ企画というような変わった書物。漫画もちょっと載ってるけどね。作者は「バカドリル」の人といえば雰囲気は伝わるかな。藤子キャラを彷佛させる「ブッチュくん」なるキャラクターと、これまた藤子作品の公式にのっとったサブキャラや、それっぽいエピソードやグッズが紹介されているが、中身は毒満載で、松本人志の「キューちゃん」をもっと煮詰めた感じ。

53:EAT-MAN(イートマン)(全19巻)/吉富昭仁
サイバーパンクっぽくありながら、時には魔法や巨大ロボまで何でもアリの世界で、とにかく何でもムシャムシャと食べてしまい、食べた物は手のひらから出すことができる異能の“冒険屋”ボルト=クランクの活躍を描いている。アメコミを意識した絵もカッコいいけど、それ以上に、一見ひねくれた物語なようで、その実は小粋な人情話であるストーリーにニヤリとさせられる。

54:セガのゲームは世界いちぃぃぃ!(全2巻)/サムシング吉松
アニメーターとして「サイバーフォーミュラ」で有名なサムシング吉松(吉松孝博)の手による、セガのゲームマシン応援漫画。荒々しい線でドリキャス子さんやメガドラ兄さんのダメっぷりをギャグにしながら、セガに対する歪んだ愛情が感じられる。ゲーム世代ならニヤニヤしてしまうはず。

55:プラレス3四郎(全14巻)/神矢みのる&牛次郎
いのまたむつみがキャラデザインをしたアニメが有名だけど、漫画も実に面白い。プラモにコンピューターを組み込んで戦わせるというのはいかにも子供向け漫画だけど、その技術を発展させて障害を持った人への治療に使おうといった展開や、3四郎と柔王丸の信頼物語は大人の鑑賞にも耐えうる。CLUMPの「エンジェリックレイヤー」は、この作品のインスパイアだと思ってます。ちなみに漫画版の今日子はセーラー服だけど、アニメに負けずに可愛いよ。

56:ルサンチマン(全4巻)/花沢健吾
30歳のモテない男が、近未来の美少女ネットゲームの女の子にハマり…という、あらすじだけ聞けばありふれたエロ漫画のようだが、その非モテっぷり、苦悩、苦難の描き方がリアルで、人ごとではない危機感を感じさせる。最初、ゲームなんて…と抵抗感を持っている主人公に対する、同様の非モテである友人の「現実を直視しろ。俺たちにはもう仮想現実しかないんだ」というセリフはあまりにも重い。

57:オールナイトライブ(全6巻)/鈴木みそ
レポートを得意とする鈴木みその、やはり業界裏話レポ漫画。もともとゲーム雑誌で長く描いていたこともあって、ゲーム関係の業界の漫画が多い中、この漫画は多岐に渡ったテーマで描かれていて、誰でも読みやすいと思う。ちょっと知りたいけど聞き辛かったりするような事にもガンガン突っ込んでおり、裏話やウンチクが好きな人にお薦め。特に某アニメーション学園の話は読みごたえあり。

58:女には向かない職業(全2巻)/いしいひさいち
「バイトくん」「がんばれタブチくん」そして「となりの山田くん」で既に国民的四コマ漫画家となっているいしいひさいちの四コマ漫画。この人もスターシステムを使ってるけど、その中でも珍しく色っぽいキャラクターである藤原先生の日常を描いている。さすがに4コマ的な面白さはソツがなく、さらにこのシリーズは藤原先生の学生時代→教員時代→作家時代といった成長(?)の様も楽しめる

59:魁!クロマティ高校(全17巻)/野中英次
池上僚一のような劇画タッチで、バカそのもののギャグを描くという地点で半分は勝っている。サラリーマンが主役である「課長バカ一代」の方が絵のタッチには合っているんだけど、クロ高は多彩なキャラクターが魅力。単行本によって当たり外れが大きく、くり返しギャグも多いのでハズした場合は辛いけど、ハマった時の破壊力は相当。

60:伝染るんです(全5巻)/吉田戦車
不条理四コマを世に広めた立て役者。どのキャラクターもどこかしら歪んでいて、可愛くないようでいて可愛いってのは今で言うキモカワってやつか。奇妙な、しかしどこか暖かみのある絵柄で、変なところをツンツンつついてくるような味がある。



61:かっこいいスキヤキ(全1巻)/泉昌之
ガロ的な劇画でありつつ、中身はギャグ漫画。それも漫画的な大袈裟なギャグというよりは、淡々とした中で吹き出してしまうような。トレンチコートを来た、クラシックなハードボイルド調の男が、駅弁を食べるのにさんざん頭を悩ませたりする様を延々と描いたりしている、変な作品集。

62:流星課長(全1巻)/しりあがり寿
「真夜中の弥次さん喜多さん」でサブカル方面に注目され、ついには朝日新聞の夕刊にまで進出した作者の初期作品集。満員電車で必ず席を取ってしまう伝説のサラリーマン「流星課長」の活躍を描く…という内容を聞いただけでバカバカしさは伝わると思う。うん、バカバカしいよ。

63:孤独のグルメ(全1巻)/久住昌之&谷口ジロー
食いしんぼうではあるが、あくまで普通の青年である主人公が、仕事途中でデパート屋上のうどんや、コンビニの買い出し、なんてことない定食屋のごはんを食べていく様子を描く、あまり食べ物にこだわりを感じない変わったグルメ漫画。僕などは「美味しんぼ」に対しては「それだけお金と手間をかければさぞ美味しいんでしょうね」というようなひねくれた見方をしてしまうんだけど、この漫画のご飯には現実味を感じて、特に美味しそうでなくても妙に引き込まれる。登場する店は全て実在するらしく、実際に店めぐりをしてるサイトもあります。

64:アタゴオル物語(全9巻)/ますむらひろし
CMなどで美麗なイラストを見たことある人は多いであろうアタゴオル物語だけど、実は漫画も素敵に面白いです。ヒデヨシのやんちゃさ、ふてぶてしさ、おおらかさは微笑ましく、異国のようでありつつもどこか郷愁的な世界観が心地よい。

65:哭きの竜(全9巻)/能修純一
実は作者が麻雀を知らなかったらしい麻雀劇画。基本的に麻雀の描写ばかりなんだけど、技術的な事は一切触れず、とにかく超能力かと思わせるような奇跡的な上がりをくり返していく強運の男“竜”と、その強運を手に入れようと近付いてくるヤクザの抗争が描かれている。腐の方が読めば、さぞウホッな関係に脳内変換していただけるでしょう。竜の奇妙な口調やポーズはさまざまなパロディに使われているので、確認の意味でも。

66:ロックマンメガミックス(全3巻)/有賀ヒトシ
ボンボンで掲載されていた、ファミコンゲーム「ロックマン」のコミカライズ。この手の漫画は元ネタありきで完成度が低いことが多いんだけど、これは馬鹿にできないどころか実に熱く、かつ泣かせる作品に仕上がっている。作者は後にビッグオーの漫画版なども描いている人で、この人の脳内でロックマンがものすごくカッコよくなっているのが分かる。巻によっては入手困難なものもあるけど、中編読みきり集という感じなので、amazonで普通に入手できる3巻だけでも問題はないと思う。


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