2006年:漫画ナツ100

今更いく所が無い、では漫画を読め。
この際名作漫画を読破しておくのも一つのベストな選択かも知れない
しょうがない時もある!!!


主催:酔拳の王 だんげの方

●マンガ選考基準
・連載が終了しているもの。
・連載中のものは20巻以上発行されている物
・現在でも比較的手に入りやすい、読みやすいもの。(古本屋とか漫画喫茶とかで手に入る 読める)
・最低ラインは50個です。(100個選べない人用)

■追加基準:1作家1作品

※巻数は、出版社、文庫化等で大幅に変わることがあります。あくまで目安としてご覧下さい。


01:七色いんこ(全7巻)/手塚治虫
「ブラックジャック」「火の鳥」は全員が挙げそうなのであえてちょい外し。芝居をネタにしたツンデレヒーローという感じで、基本の流れはブラックジャックなんだけど、この七色いんこの良いところはちゃんとしたエンディングがあるところ。未完や続投を予感させる(そしてたいてい続投する)ラストが多い手塚作品の中で、余韻が残るエンディングはなにげに貴重ですよ。それにしても下手すると手塚だけで30くらいは簡単に出てしまうのが恐い。

02:エスパー魔美(全9巻)/藤子・F・不二夫
これまた「ドラえもん」は避けた。本当はSF短編集の方が恐くてお薦めなんだけど、何種類か出ていてどれを選んでいいのか迷ったのであえて外してこれを。陽気で元気な魔美と、サポーターの高畑さんの名コンビぶりが楽しい。よく言われるヌードにあまりフェチ心はくすぐられないんだけど、脱ぐ途中の下着姿はちょっと興奮した。

03:人造人間キカイダー(全3巻)/石ノ森章太郎
天才石ノ森の中から、読みやすさでこれを。009はちょっと多すぎるし、ロボット刑事は暗すぎてしんどい。一貫している「ヒーローの孤独、哀しみ」というテーマも分かりやすくて、ラストはじんわりとした余韻が残りますよ。

04:銀河鉄道999(全18巻)/松本零士
僕の世代は避けて通れない999。TVアニメ、劇場版アニメもいいけど、原作はそれ以上です。 SFなのに退廃的な、貧乏臭いムードが心地よい。ヤマト、ハーロックと比べても面白さ、完成度の高さは頭一つ出ているような。

05:デビルマン(全5巻)/永井豪
これもみんな挙げているだろうけど、どうしても外せなかった。今さら言うことはありませんが、本当に何かが憑依しているとしか思えない迫力。恐ろしい筆圧。これはとんでもないものですよ。

06:NERVOUS BREAKDOWN(なあばすぶれいくだうん)(全13巻)/たがみよしひさ
都会的なセンスで、クラシックなミステリーを描いた作品。基本的に一話完結なので読みやすい。作者がミステリー好きなだろうなーと感じさせてくれる。作者の他の漫画のキャラが多数ゲスト出演するあたりのファンサービスも嬉しい。

07:東京探偵団(全5巻)/細野不二彦
「さすがの猿飛」「ギャラリーフェイク」よりもハチャメチャやってて漫画的に面白いと思う。子供向け漫画、青年向け漫画、ハイセンス、エロ、シモと何でもこなす漫画職人の細野が、いかにもノって描いてます。

08:あまいぞ!男吾(全16巻)/Moo.念平
コロコロから良質な熱血少年漫画を(ちなみにこれがコロコロに連載していた頃、僕は高校生でした)一本気で曲がったことが大嫌いな男吾が学校中を暴れ回るのが痛快。姫が可愛い小学生編、さまざまなライバルとのバトルが楽しい中学生編がお薦め。

09:はじめちゃんが一番!(全15巻)/渡辺多恵子
少女漫画はあまり読まないんだけど、これはハマった。芸能界を舞台にしつつ、むしろ話としては家族の絆を描いており、泣かせっぷりは「上手いわー」と唸らされる。もっとストレートな「ファミリー」もお薦めよ。

10:ルプ☆さらだ(全1巻)/竹本泉
短編集が多い竹本泉の中で、大好きなのがこれ。小さくて好奇心いっぱいの女の子サラダちゃんのふとした疑問に、伯父さんが楽しいホラ話をしてくれるという竹本流ほらふき男爵。この漫画に出てくるような伯父さんになりたい。



11:マカロニほうれん荘(全9巻)/鴨川つばめ
一発屋と呼ぶのが失礼すぎるギャグ大作。縦横無尽、理屈抜きで暴れまくるトシちゃん&きんどーさん、要所にちりばめられた70年代の文化の香り。ファッションも一周してオシャレに感じるはずよ。

12:PALM(パーム)(26巻続行中)/伸たまき→獣木野生
絵柄的に女の子がキャーキャーいうタイプの漫画かなーと思いきや、実はめちゃくちゃ、本当にめちゃくちゃ面白い。アメリカ映画を彷佛させる空気、センスの良いセリフ回し、小粋なキャラクター、ケレン味たっぷりの展開にぐいぐい引き込まれる。15巻「愛でなく」あたりからテーマ性が強くなりすぎるのが残念。

13:ななこSOS(全5巻)/吾妻ひでお
「失踪日記」で一躍時の人になった吾妻ひでおの代表作。ドジで気の弱い超能力少女というテーマは、当時の主流であるSF的ヒロイン像を利用したパロディっぽいんだけど、吾妻ひでお的投げっぱなし感、不思議感、無気力感が絡まっていて実に面白い。単行本が少ない割に連材は長期に渡っていて、終盤の絵の女の子の可愛らしさは最上レベル。これを読むと、失踪していたのは単なるオッサンではなく天才だったんだということが分かるはず。

14:Barレモンハート(22巻続行中)/古谷三敏
長寿ウンチク漫画ではあるんだけど、ウンチク部分をサラリと流して、そこからハートフルーストーリーに繋げる流れが実に小粋。座り心地の良い椅子にどっかりと腰掛けて、ゆっくりと楽しみたい大人の漫画。

15:少年アシベ(全8巻)/森下裕美
ゴマちゃんの可愛さだけでなく、登場キャラのほのぼのとしたブラックさが面白い。大河四コマって基本的に好きなんよ。最近のはブラックさが無くなってきたようで残念。

16:幕張サボテンキャンパス(全11巻)/みずしな孝之
四コマ漫画界の若頭とでもいうべきみずしな孝之の代表作。大学をテーマにしたギャグ漫画ながら、要所要所でジーンとさせたりする。ここらへんがみずしな孝之は本当に上手い。

17:Dr.スランプ(全18巻)/鳥山明
僕の世代にとってはドラゴンボールよりも、Dr.スランプを最初に見た時のインパクトの方が強かったです。ストーリーはあってないようなものだけど、とにかく全体から溢れるセンス、コマの隅のちょっとした落書きに魅了された。

18:めぞん一刻(全15巻)/高橋留美子
高橋留美子は短編が上手いと思っているんだけど、それでもめぞん一刻の完成度の高さは郡を抜いている。ギャグ、コマの間、響子さんの可愛らしさ、五代くんのダメさ、カドが立ちすぎている脇キャラ、そして幸せなハッピーエンドと隙がない。ある意味完成されすぎている漫画。

19:漂流教室(全5巻)/楳図かずお
「わたしは真悟」も迷ったけど、分かりやすさ、ハラハラ感でこちらを推すことにした。ホラー漫画の巨匠らしい無気味な絵、緊迫感溢れる空気は見事の一言。その中で必死に生きていく子供達の危なっかしさ、そして希望を繋ぐエンディングは必見。

20:炎の転校生(全12巻)/島本和彦
熱血漫画家島本和彦の出世作。ヒーローもののパロディを利用したギャグが猛烈な勢いで繰り広げられていて、バカバカしいながらも笑ってしまう。もちろん「逆境ナイン」も読んでくれ!



21:銀と金(全11巻)/福本伸行
福本は基本ギャンブル漫画ばかりで、それなりの知識を必要とされるものが多い中、比較的誰でも読みやすい漫画。しかしながらその緊迫感、無気味感は損なわれていない。黒沢が今回のルールでは入れれないのでこちらを。

22:ぎゅわんぶらあ自己中心派(全8巻)/片山まさゆき
麻雀漫画でありながら、全然まともに麻雀をやっていない。あらゆる素材を麻雀的に読み解いてギャグにしていくというのは麻雀好きなら誰でもやるだろうけど、そこらへんのアレンジが実に上手い。最近は麻雀戦術ものばかりだけど、こういうバカバカしいギャグも読みたい 。

23:GOD SAVE THE すげこまくん(全12巻)/永野のりこ
内にこもりがちな天才科学者高校生すげこまくんが、学校を舞台にその異常な科学力で暴れ回るギャグ漫画。ではあるんだけど、主人公すげこまの被害妄想、自己中心ぷり、屁理屈ぶりはオタクそのもの。ひねくれたオタクの性根にビンビン来るよこれ。

24:サルでも描けるまんが教室(全3巻)/竹熊健太郎&相原コージ
漫画の描き方という形をとって、様々な漫画をメタ的に分析していくという、漫画マニアならではの漫画。暑苦しい表現や、今までの漫画を徹底的にパロディした表現も楽しい。最終的に希望がないまま終わっていくのも、漫画家の恐さを表現しているのか。

25:いなかっぺ大将(全3巻)/川崎のぼる
アニメの方があまりにも有名だけど、漫画の方は川崎のぼるの超絶画力でギャグが描かれていて、ムチャな展開も含めて腹が痛くなるほど笑える。かつところどころでホロリとさせられるあたりも見逃せない。

26:ラフ(全12巻)/あだち充
「タッチ」「みゆき」を押さえてこれを推します。実際のところ「あだち充らしさ」はこちらの方が強いというか、純度が高い気がする。

27:イオナ(全9巻)/澤井健
小学校にやってきた型破りの美人教師イオナと、生徒たちの成長物語という感じでいいのかな。クラシックなモチーフなんだけど、今風にこなしてあります。委員長がいいのよ委員長が。

28:ドラゴンクエスト ダイの大冒険(全37巻)/三条睦
これも恐らく大人気であろう。当時は正直、ドラクエという元ネタありきの漫画だからなーと思っていたんだけど、読み進めたら凄くワクワクした。それはもちろんサブキャラであるポップの成長があまりに燃えるから。

29:ねじ式(全1巻)/つげ義春
不条理漫画の金字塔ともいえる作品。異様な雰囲気、狂っているかのような線、何が起きているかすら分からない漫画ではあるけど、何故か読み捨てれない迫力がある。未読の人は勉強ということで 。

30:ゴールデンラッキー(全3巻)/榎本俊二
現代の不条理漫画家榎本俊二の4コマ漫画。「えの素」も良いけど、シモに走りすぎているせいである意味分かりやすい。不思議空間を味わうならばこちらの方が上だ。



31:G戦場ヘブンズドア(全3巻)/日本橋ヨヲコ
漫画家を目指す2人の青年とその家族の葛藤、戦い、苦悩を描いた重厚なドラマ。漫画によってどんどんおかしくなっていく主人公たちに引き込まれる。

32:ジョジョの奇妙な冒険(全63巻)/荒木飛呂彦
これも皆が推すだろうからいっそ外そうかとも思ったけど、さすがに外せなかった。今さら説明する必要もないけど、「バオー」や「魔少年ビーティー」という独自な漫画を描いていた荒木飛呂彦という、それこそ「奇妙な漫画家」が、これだけメジャーになる漫画を描けたというのが凄い。

33:ヨウスケの奇妙な世界(全4巻)/高橋葉介
怪奇というよりは奇妙な漫画の大家、高橋葉介の初期作品集。最近はチャンピオンで幽霊漫画を描いてるのかな?猟奇、異形、怪奇色は昔の方が強烈です。もちろん「夢幻紳士 怪奇編」も忘れずに。「冒険活劇編」はその後でね。


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