2008年冬:新アニメ1話感想


■H2O −FOOTPRINTS IN THE SAND−

個人的期待度…★★★
いじめかっこ悪い度…★★★★

オープニングでいきなり男二人にパンチ&蹴りをかまされるレベルの虐めを受けているヒロインという絵にドン引き。

さらには猪に追われる盲目の主人公に電波少女まで出てきて何かすげー。しかしこの主人公、目が見えないのをいいことに女の子胸を揉むわ杖でスカートの中をまさぐるわ顔面騎乗されるわとやりたい放題。しかし盲目&純朴系ということで単純に羨ましいという気もしなくてなんか微妙だわー。

でードラマとしては一見美しい田舎風景の中で、女の子に対する容赦ない虐め、それを黙殺するクラスメイト、田舎特有の閉鎖間などが展開されてて、ハーレム系の絵柄でありながら空気は半端なく悪い。今後ドロドロというよりは現地点でデロデロ。「これどうなるんだー!」というよりは「これどうするつもりだー!」という感じ。

絵柄等は特にハイセンスというわけでもないけど、次回予告等のポップなイラストや提供画面の実写などにカオス狙いの雰囲気を感じる。



■ロザリオとバンパイア

個人的期待度…★★
尻で次回予告度…★★★★☆

タイトルだけ聞いて魔界硬派ライノベ系かと思ったんだけど、いきなり容赦ないパンチラ攻撃で腰砕けになった。どっちかというと影マモとかいぬかみ系のハイテンションエロギャグなわけね。ちなみに原作もライノベじゃなくて漫画だった。

妖怪学校という今どきあんまりな設定や、ダバダバだのパヤパヤだのわざと古臭い音楽を使っているあたりも、90年代ドタバタを目指してるっぽい。まだキャラが出揃っているわけでもないのでもうちょっと様子見だと思いつつも、とりあえずハイセンスが期待できる作品ではない。てかこれGONZOの割にはなんつーか、その作画クオリティがその、なんつーか。

にしてもパンチラはいいとしても、普通に立ってるだけで見えるのはさすがにどうなんよ。そして次回予告が丸々スカートのアップという潔さにはさすがに脱帽。



■ペルソナ〜トリニティソウル〜

個人的期待度…★★★
次男総受け度…★★★☆

あの有名ゲームがアニメ化ってことでいいのかな?。ゲームの方は未プレイということで世界観から初見なんだけど、ペルソナ=スタンドみたいなものと考えていいのだろうか。

全体的に雰囲気は暗いけどまあアリ。キャラクターが小奇麗すぎてあまり魅力は感じないんだけど、古いタイプの少女漫画を髣髴させて、サスペンス的な雰囲気は出ている。恐らく腐女子に人気出そう。

ストーリーは現地点では特に面白いというわけでもないんだけど、とりあえず今回はテンポ良く進んでいて退屈はしなかった。個人的にはデスノートのように、殺人事件などのサスペンスに霊界や死神等の超自然系が入るのは「そんなんズルい」という感じでちょっと白けてしまうんだけど。



■破天荒遊戯

個人的期待度…★★★
今川さんなにやってんすか度…★★★★

番組開始と同時に、ナレーションのみでなんだなんだと戸惑う間もなく異様に都合のいい状況説明がされていくの。ここまで置いていかれるのも珍しい。

その後も凄まじいめぐるましさで話が進んでいき、ギャグなのかシリアスなのかどういう姿勢で見ていいのか分からない。世界観も方向性も見えてこないうえに、都合の良すぎる展開。キャラの外見的にも味の乏しい美形揃いで面白みがないし、どこまで真面目に作ってるのかも疑わしい。


…んだけど、これがなんか妙に面白くね?正直今回の「裏切られた女が幽霊になって…」というストーリーを真面目にやってもつまらなくなったろうと思うんだけど、それを壊した挙句に変な味が出てきているような。突然出てきたノースリーブの美形とかは笑うところなのか?というか笑わないと成立しないよな…というか普通笑うだろ。

毎回面白いというのは期待できないというか、むしろイラつく回が多そうだけど、たまにツボにハマることもあるって感じか?…などと思っていたらスタッフにに今川「Gガン」泰宏の名前があってビビった。どゆこと?。



■シゴフミ

個人的期待度…★★★☆
男?女?度…★★★★★

電撃15年祭で広告を見て、ライノベ原作のアニメかと思っていたんだけど、原作というわけではなくて同時進行のメディアミックスらしい。

スッキリとした線で、どこか暗くて儚い雰囲気の絵作り。無機質で淡々としている主人公はものすごく今風だ。そもそもの設定が「死後の世界から手紙を運ぶ」というものなので、明るい話にはならないだろうけど。

でー内容はというとこれまたボーイミーツガールかと思いきや少女による凶刃という今風なもの。設定といい展開といい、どこかで見たことのあるような印象のものが多くてさすがに食傷ぎみな感もあるんだけど、作画や雰囲気作りなど全体的なクオリティが高くて結局見入ってしまった。話としては次回も続くようだけど、一話としてはあのショッキングな切り付けで終わっても良かったんじゃ?まあ二話で救いのあるオチに持っていくのだとしたらそれはそれでアリか。

正直なところ今後も愉快な展開は期待できないんだけど、何となく角川の「一押しですよー!」的な雰囲気を感じる。とりあえずは押さえておくべきか。



■ARIA The ORIGINATION

個人的期待度…★★★☆
次はスケッチブック2にバトンタッチ度…★★★★

ARIAもすでに3作目。安定感はあるんだけど、いつまでやるの…?という感は正直ある。相変わらず素敵な世界で素敵な人々の心温まる話。

当然のように完成度の高い佐藤順一の作風は安心できるんだけど、どうにも安定しすぎてしまっているようななー。必ずしも緊迫する展開が必要だとも思わないけど、第一話にして最終話レベルの落ち着きってのはどうなんよー。いや見るけどさ。



■君が主で執事が俺で

個人的期待度…★★
まずは作画を頑張って度…★★★★☆

タイトルから「つよきす」みたいなイメージを感じたんだけど、どちらも同じ「タカヒロ」って人が企画したエロゲ原作なのね。つよきすはヒロイン全員ツンデレというツンデレブームに乗った企画だったけど、今回は執事というわけか。

絵に若干クセがある…というよりは作画がキツい。通行人がカラーのシルエットだけっていうのもスケジュール、予算の厳しさを物語っているような。書き込みをすれば良いというわけでもないけど、ここまでやってしまうとさすがにちょっと気になる。

ウホッな阿部さんをはじめ様々なアニメのパロディ、ジャイアニズムを唱えるマスコットにたてかべ本人を起用したり、ある意味禁じ手であるAAの利用など大量のネタを盛り込んでいるんだけど、パロディとして他アニメのセリフだけ流用してきてるようなのは「あちゃー」て感じがしてあんま笑えなかった。むしろ三女とか警備長の方が笑えたかな。

とりあえず一番のヒットは、執事長の声が東方不敗そのものというところ。主役の声が関智一なんでまんまGガンだ。まあストーリーだの作画だの考えずに、頭を空っぽにして見るべき作品ぽい。



■みなみけ〜おかわり〜

個人的期待度…★★★
長女エロス度…★★★

前期というかつい先週までやっていた「みなみけ」の後半が、声優以外のスタッフ、スタジオ、キャラデザインなどを変更してのスタートという変わったシステム。

「双恋」「フタコイオルタナティブ」でも似たような試みがあったけど、あれは二つの作品が明確に違っていたわけで、今回のように続きとして構成されているのは見たことがない。普通に考えればもう一方の作品と比較されるわけで、作り手としては怖いよなあ。しかし見る側としては、原作がアニメになっていくのにスタッフや監督の解釈の仕方で別物になるというのが体験できるのは楽しい。

でーキャラデザインは前作の方が原作よりで安定していた気がする。今期の方がよりアニメっぽいというか。OPのセンスなどは今期の方が冒険してるようだけど、内容に関しては今のところそこまで目立った違いはないような。どうせなら原作を吹き飛ばす感じで派手に動かして欲しい気もする。



■狼と香辛料

個人的期待度…★★★☆
下から読んでもエロクロエ度…★★★★★

ライトノベル原作のファンタジー系アニメという認識でいいのかな?

ファンタジーと言っても、それなりにちゃんと中世ヨーロッパ的世界、宗教戦争、村社会の祭などが出てきて、いわゆる美少女が超能力で魔物をズバズバという系統ではない。主人公が狼神の美少女というのはいかにもだけど、それにしてもどこか土の匂いを感じるのはいい感じ。

とりあえず今回は狼神美少女のホロが、行商人と一緒に旅に出るという展開を丁寧に見せていてそれ自体は良かったんだけど、いまひとつ画面の見栄えが無かったような。動きどうこうというよりはせっかくの味を感じないというか。

まー好みの問題だけど、個人的にキャラデザインの黒田「怪物王女」和也のラインにいまひとつ魅力を感じれないというのが大きい。EDのイラストやレイアウトなどは可愛いセンスで素材としての力は十分に感じるので、そこらへんのテイストをアニメの画面にも活かして欲しい気もするんだけど。

にしても、一見田舎の気立ての良い娘っぽくありながら色仕掛けをかましてくるクロエは、いわゆるエロというよりも背徳というか生々しいいやらしさを感じた。いいよいいよー。



■墓場鬼太郎

個人的期待度…★★★★☆
野沢のピカレスクヒーローって珍しくね?度…★★

いわゆるゲゲゲではない、その前にあった「墓場鬼太郎」の漫画テイストを残してのアニメ化。放送するアニメどれもコジャレた感じが鼻につくものの、クオリティの高さは認めざるを得ないノイタミナ枠で、個人的には今期一番の期待株。

枯れた雰囲気である水木漫画のタッチを残した背景、色数と彩度を押さえた昭和的色使い、荒目の紙に描いた様なテクスチャーと、画面の技術、センスは相当なものだ。鬼太郎も原作よりはオシャレで、かつ子供っぽくなりすぎないデザインに落ち着いている。

今回は悲劇的な鬼太郎と目玉おやじの誕生話だったんだけど、妖怪の方はどこかユーモラスで、むしろ身勝手な人間の方が醜く恐ろしい存在として描かれているあたりは良い感じだった。声はゲゲゲと同じ野沢雅子だけど、トーンを抑えることで不気味さを出してるのはさすが…と、とにかく全体的な完成度が頭一つ抜けて高い。

原作は数話をチラ見した程度の知識しかないので、今後どんなエピソードが展開されていくかも楽しみ。普通に文庫化されているのでちゃんと読みたいけど、今回もアニメが終わるまで我慢かな。

あーあと日曜朝のゲゲゲの方は、見ようと思って撮り溜めておいたのがHDDフォーマットで消えてしまって全然見てません。こっちも面白いって評判なんだけどなー。



■俗・さよなら絶望先生

個人的期待度…★★★☆
EDやりおるわー度…★★★★★

好評のまま終了した絶望先生の二期。今回も新房監督&シャフトという前回と同じスタッフで、エッジの効いた演出は相変わらず。「絶望した!」の前に入るアップまで同じ。

マルチ商法からカルト教団、そしてショッカーと好き勝手に遊んでいるのは、本編と関係なさ過ぎるのも含めて楽しかった。OPは文字ベースだったけど、今回も途中からアニメが付くんだろうなーと期待。そしてEDアニメのぶっ飛びっぷりは前作以上。

新房演出の絵を見ているだけでも楽しめるし、ある意味安定しているか。そもそもの漫画の絵柄が洗練されてるので、ポップな色合いとの相性が良いやね。

ただ前回もそうだったけど、とにかく画面内の文字を読むのが大変すぎてさすがに諦めた。女性とレンコンが苦手って、穴が怖いってことか?つまり女性器恐怖症=インポテンツを表してるってこと?うーむよく分からんが下品なー。



■true tears

個人的期待度…★★☆
「ジベタ」て!度…★★★☆

んんと非エロの恋愛ゲームが原作なのか。ぱっと見は、しごく真っ当な青春ものっぽい。

突出した特徴はないものの、作画や演出等は丁寧で落ち着いている。女の子も可愛いい…んだけど、全体に漂うトーンが暗めで何かジクジクする。明確に暗いわけでなく、どこか引っかかるというか。なんかみんなトラウマ抱えてる感じなんよなー。てかやる気のない…というかむしろ普通のニワトリに「ジベタ」て名づけるのはかわいそくね?

そのせいかせっかくのお風呂場でのパンチラなどもいまひとつテンション上がらず。んーまあまだ何とも言えない感じか。その割にEDアニメはSDキャラが可愛い。



■のらみみ

個人的期待度…★☆
ある意味大人向け度…★★★

先週までウルトラセブンXをやっていた時間枠での新番組。その深夜アニメらしからぬ絵柄の予告を見ただけで「えええー!?」となった。

ド根性ガエルや藤子フォーマットに出てくる「居候キャラ」が普通に溢れかえっている世界という、どこか「???」な設定。ハムスターだの熊さんだのの「キャラ」が、職安のような機関で居候先を探すというのはどうにもシュールというか物悲しい。

散々出つくした居候キャラを逆手に取って、楽園の裏側を見せつつも人情味のある話になっていくようなんだけど…シンエイ動画的な絵柄でやられると正直辛い。いっそ過激なギャグになってくれれば、松本人志の「キューちゃん」みたいにパロディと割り切って見れるんだけど。

藤子F短編の「劇画オバQ」とか「ヒョンヒョロ」のようなやりきれなさ、後味の悪さがある。ううむこれは見るのが辛くてダメかもー。



■バッカーノ!

個人的期待度…★★★★☆
サブタイトル長すぎ度…★★★

ライトノベル原作で、CSでこないだ放送終了した作品が地上波に登場。気になっていたのでありがたや。

まず、様々なシーンの繋がったOPアニメがオシャレでセンスを感じさせる。禁酒法時代アメリカを舞台に、若本声の新聞社副社長と助手の対話という形を取りつつ、キャラクター紹介、マフィアの対抗、そして異能力の存在などが示されていく第一話。

多数登場するキャラはどれも一癖ありそうで魅力的なものの、場面がめまぐるしく変わっていくせいで数が多く、正直なところとても覚えきれない。んだけど現地点では何となくイメージだけ残っていればよさそう。

連続ものなので一話見逃すと完全に理解できなくなってしまいそうだけど、セピア調の渋い色使いの画面にジャズを基調にした音楽など、とにかく全体的に漂うセンスが良くて見ているだけで心地いい。こりゃーこの先が楽しみだ。



■AYAKASI

個人的期待度…★★☆
投身高くてもピンク髪度…★★★☆

原作はアドベンチャーゲームらしい。妖奇士(あやかしあやし)やノイタミナの怪-ayakashi-と、発音が同じようなアニメが多いので混合しがちだなーと思いきや、こちらは現代を舞台にしたスタンド系能力バトルっぽい。

水色やピンクの髪の毛のキャラで、いかにもゲーム原作っぽい絵。しかし学校での虐めや、ヤクザ相手に切り裂き能力を使うヤンキー能力者の描写などはかなりエグい。これでもCS放送では年齢制限をしていて、今回の地上波放送では過激な部分をカットしているってことだけど、元はどれほどの描写がされているんだ。

まだ能力の説明などもされていない状態なのでよく分からないけど、虐めを見てみぬふりをしたり、能力を見世物にしたり、「その気になれば人も殺せる」発言をかます主人公はかなり印象が悪い。作画は良好で、いちいち桜吹雪舞うエフェクトとかも凝っているんだけど全体的に漂う暗いトーンのせいか気持ちよく見れなかったかな。



■ガンスリンガー・ガール-IL.TEATRINO-

個人的期待度…★★★
ぷにぷに感が足りない度…★★★

改造されて殺人マシンとなった幼女たちと、その主人となった青年の恋…という、どうにも歪みきったフェチ設定満載の人気漫画の二度目のアニメ化。マッドハウス製作の前作はかなり良い出来だったと記憶しているんだけど、今回はなんというか強引に作ってしまった感があるのはどういうことだ。ちなみに今回の製作はアートランド。

原作マンガはほとんど未読ながら、基本的にはキャラ萌えでありながら、どこか叙情的な雰囲気を持っているのが売りなんだろうなーと予想していたんだけど、今回のアニメは至極単純な美少女B級アクションになってしまっているような。幼女が屈託なく「今日は敵を殺しました」と日記に書くあたりは逆に重いものがあるんだけど、途中のCMで入る前作の映像の方が雰囲気出てる…。



■ヤッターマン

個人的期待度…★★★
山ちゃんさすが度…★★★★

タツノコを代表する国民的アニメが約30年ぶりのリメイク。まあ「ヤッターマン」が30年ぶりってだけで、「ヤッターマンシリーズ」の新作はOVAなどでちょくちょくやっていたけど。

OP曲は例の歌にアレンジが加わっていて、なんかまだ馴染めない感じ。でもアニメはポップでいい感じ。どことなくパワパフZを思い出した。

ガンちゃんはもっと熱血な、当時の主役の見本のようなタイプだと思っていたんだけど、今回は何となくノリの軽いいいかげんな男になっているような…。

しかしドロンボー三人組のインチキ商売やビックリドッキリメカのギミックなどは相変わらず楽しくていい感じで、全く色褪せていない三人組やドクロベーの声には空恐ろしいものすら感じる。ハクション大魔王の銅像やモニターに映るグズラなどさりげない大人向けファンサービスも充実しており、30年ぶりのリメイクとしては概ね成功してるのでは。アイちゃんの靴下ならぬハンカチの匂いで目覚めるヤッターワンに仲間意識を感じた。

しかし、やはりそもそもが明確な子供向けでマンネリを売りにしていたくらいの作品なので、今後も大人の視聴に耐えられるかは不明。でもとりあえず一度は見ておくべきちゃう?