2007年冬:新アニメ1話感想

■マスターオブエピック
そもそもはネットゲームなのかな。サイトを見て、剣と魔法の正統派ファンタジーかと思いきや、OPでいきなり戦隊ものっぽいノリのSD美少女5人組が出てきて腰砕け。んでもってオープニングがクローバー…ってことはこの5人がその声なのね…ってクローバーって4人じゃん!いったい…?と思ったら+かねともだった。こりゃー白痴度高いわー。

んでもって本編が始まると、前説劇場と称した漫才で世界観説明。ネットゲームであることをあえて明かして、かつネカマというか「美少女キャラのプレイヤーがオッサン」というネタを持ってきて開き直りというか何と言うか。少女のキャラクターに対して「中身は男か」とか言うあたりは、Hackをちょっと思い出した。

んで本編は、どうやらネットゲームをネタにしたごく短いショートギャグをどんどんこなしていく感じらしい。一つ一つの短さは半端じゃなく、次回予告で「前説他10本」と言われたのには耳を疑った。ギャグ漫画日和よりも短いぞ。

原作というか元ゲームを知らない人は明らかに置いてきぼりっぽいんだけど、まあありふれたファンタジー世界と捕らえて見れるか。メタ的ショートギャグという方向性は嫌いではないというかむしろ好きなんだけど、とりあえず今回は全く笑えなかった。アニメ的な絵柄や動きは特筆するような感じではないし、あまりに笑えないのが続いたら自然と切りそう。


■ひまわりっ!!
去年の春にやってた「ひまわりっ!」の続編。「!」が増えてるのね。

前作は、くのいち養成学校にやってきた男性教師と少女ひまわりのラブコメ風ギャグアニメでありながら、主人公のひまわりが試験管ベビーだったり両親が事故死だったりと根っこの設定はけっこうハードで、どうなるんだ…と思ってたら特にこれといった展開がなく終わってしまい、正直面白くなかった。

んで今回も最初にゲリラ部隊みたいなのが出てきて、今回こそハードなのか…?いやいや騙されないぞーなどと思っていたんだけど、男子校が廃校になったり、陰謀めいた集団が出てきたりとけっこう緊迫した雰囲気。おや、これは今度こそシリアスなのか

…かと思いきや、明らかに怪しい紫肌のドラゴンボール的キャラがお好み焼き屋のニセ店員になって睡眠薬を盛るというあまりに程度の低い作戦。そして巨大落とし穴に落とされた先生がたまたまガムに引っかかって吹き飛ばされ、たまたま先に捕まっていたひまわりに抱きついて助かるというあまりにもご都合主義しまくりな展開でさすがに緊迫できず。また騙された。

今回は第一話ということでそれなりに作画や動きは良かったけど、基本的に前作と変わらない感じ。ダメっぽいなー。


■まなびストレート!
安定した作画とアクションに定評のあるufotableの製作ということで、期待は高まる。ろりぷにの萌え風というか、ものすごく今時な絵柄。髪の毛のグラデーションや頬の赤さなど、アニメらしからぬイラストが動いている感じで、まずはその美麗さに心引かれる。スク水描写などもフェチ心満載でツボを心得た感じ。

動きも楽しくて引き込まれるんだけど、しかし全体的なストーリーはおとなしいお嬢様学園に型破りの主人公がやってくるというものでまあ普通か。そこらへんのほのぼの感も萌えコンテンツっぽいといえばそうなんだけど。

というわけで今回は特に何が起きるわけでもなく美麗な作画ということで、何となく「好きな人が楽しめればいい」というOVAっぽい雰囲気を感じた。今のところヲタ臭さは郡を抜いている。これのグッズとか会社に持っていけたら凄いわ。

んでもってエンディングはufotableおなじみの実写というか人形アニメ。次回予告の見せ方とかも一工夫ある感じで、こういう作り手のこだわりは嬉しいね。


■デルトラクエスト
土曜日の朝のアニメってことで、まあどちらかというとお子様向けか。原作は2001年にオーストラリアで出版された、中世を舞台にした正統派ファンタジーらしい。しかし最初にひたすらナレーションで世界観と設定を説明しちゃうのはちょっと。

横暴な影の大王に若い勇者が立ち向かうという、しごく真っ直ぐなストーリーが描かれており、安心して見れると同時に今さら感もある。んー正直ちょっと地味かなー。朝のアニメってことで2クール以上やるだろうし…ちょっと付き合うのはしんどいかも。まあそれでもムシキングみたいな緊迫展開もあり得るのでもうちょっと見てみよー。

あと女の子はまだ本編に出てきてないけど可愛いっぽい。


■セイントオクトーバー
OPで歌詞が画面の中に含まれているという演出は、ブラックラグーンの2ndの一部でもやってて好きだったんだけど、これはいまいち上手くない…というかギャグになってる。

ゴスロリ少女探偵団ということで、いかにもキャラ萌えアニメっぽく女の子は可愛い。舞台は中世ヨーロッパ風でありながらカニ道楽的な看板があったりするのはギャグなんだろうけど、コナミアニメのギャグって笑えないんだよなー。

かと思ったら、捨てられっ子だった主人公のトラウマ描写が出てきて唐突に重くなった…と思いきや、ブチ切れてワンパンで幻覚破壊。イメージの中で頭から墨汁?っぽい黒い液をかぶるという斬新すぎる変身方法。そして敵をやっつける方法も顔に×を描くという不思議さ。なにげにカオスだ。製作はスタジオコメットで、マイメロを作ってるところと知って妙に納得。楽しみなような不安なような。

それにしても敵幹部の異様にダサいデザインは何なんだ。王冠とか狙っているとしか思えない。しかしそれでも連中は変身にカードを使ったりしてコナミらしい玩具っぽさを感じる。対して主人公は墨汁かぶり。不思議だ…。


■月面兎兵器ミーナ
ドラマ版「電車男」のOPやストーリーに登場した劇中アニメが作品に。

電車男は非ヲタ層を狙っていたんだろうけど、このアニメは特撮的な武器の説明台詞や金田パース的アングルを使うあたり、明らかにヲタを対象に作られているようだ。

基本は、女子高生でありながらニュースキャスターを勤める元気系美少女の成長物語なんだろうけど、それに加えて妙に等身のあっていないキャラや不気味な赤ちゃん的宇宙人が出てくるあたり、なんとなくごった煮的、カオス的な世界を構築しようとしているようだ。

今回は野球で次回はプロレスと、スポーツに絡めてバトルをしていくようで、ストーリーよりはハチャメチャな雰囲気や動きを楽しむという感じなのかな。とりあえず今回は第一話ということで作画は良かったです。

ただ、くじびきアンバランスの時もそうだったんだけど、個人的にスピンオフって借り物感、内輪受け感があっていまひとつ苦手なんだよなー。まあ土曜の夜ということで見続けはするだろうけど。


■ProjectBLUE 地球SOS
半年ほど前にAT-Xで放送されていたアニメが地上波に。サイトを見ると、AT-Xの中でもプレミア枠っていうちょっと特別扱いだったっぽい。

いわゆるレトロフューチャーってやつで、サンダーバードのボックスアートでお馴染みの小松崎茂の温もりが残る未来世界の楽しさが再現されいるのはそれだけで嬉しい。未来カーとか空飛ぶ円盤という単語が実に似合う。

UFOが放つリップルレーザー状の誘拐ビーム、弾丸の殻を破って出現する戦闘機などの味のあるケレン味は、男の子的ハッタリが効いてて実に燃える。大会社のボンボン眼鏡少年と、それに対抗する金髪天才少年の美形主人公カップリングに燃える腐の方も多いのでは。

ビッグオーほど漫画っぽいデフォルメはないが、作画は相当に丁寧で美麗。真面目に作られすぎていて、悪ふざけとかファンサービスの好きなヲタに対する訴求は弱いかも。むしろ一般層に受け入れられやすい蟲師的な良作になってくれるのを期待。


■ひだまりスケッチ
なんか一回見ただけであまり印象が残らなかったのでもう一回見た。美術科の高校に入学して寮(アパート?)暮らしを始めた女の子のほのぼのした日常…って感じ。原作が四コマってことで、「せんせいのお時間」的なのんびり世界だ。基本おとなしい感じだけど、「ぱにぽに」の新房監督で一部実写が入ったりしていてこだわりは感じられる。静的でありながら味のある画面作りを目指しているのかな。

悪くはないんだけど、今期は同じようなお気楽ほのぼの女子系として圧倒的作画の「まなびストレート」があるので、ちょっと印象として弱いか(どっちも女子高生っぽくはないが)。OPはゴトゥーザ様や新谷良子などの主役陣が歌ってていい感じ。


■京四郎と永遠の空
今回もスーパー介錯タイム健在!ということで鋼鉄天使くるみ、ワるきゅーレ、神無月の巫女、アリス輪舞曲に続く介錯原作アニメ。なにげに同一作者でこれだけアニメ化って凄くね?

相変わらずのキラキラなセンスで、美少女と美形が入り乱れつつバトルしております。白馬に乗った王子様にいきなりキスされたり服を剥ぎ取られたりしても、運命だからと納得してしまう主人公の白痴っぷりも相変わらず。ここまでいくといっそ潔いんだけど、妙に疲れるのも事実なんだよなー。

神無月の巫女と世界がリンクしてるみたいなんだけど、神無月を3回くらいで切ってしまっているのでよく分からず損した気分。神無月はラストの方は面白かったという評判なので、やっぱりアニメは切っちゃいかんなー。


■カレイドスタースペシャルセレクション
巨大サーカス「カレイドステージ」の舞台に立つことを目指す少女、苗木野そらの成長を描く名作アニメ「カレイドスター」のセレクション版。なんで今さら… と思ったら、新雑誌で漫画連載が始まるのね。アニメとしては基本明るい作品なんだけど、厳しい先輩や特訓などのノリは体育会系で、女の子版スポ根というような雰囲気もあって面白い。特に先輩スターであるレイラさんはええでー。

などと言いつつ、実は本放映の時は途中で切ってしまってました。主人公そらの破天荒すぎる明るさ、そしてあまりにも簡単に困難を克服してしまうあたりが不満だったっていうのと、当時はHDDレコーダーを持ってなかったんで、見逃し→切るってパターンが多かったんですな。

んで後半の「新たなる翼」編になってから見たらこれが面白くって、前半を見逃したのを後悔した。やっぱりアニメは切っちゃいかんなー。


■Venus Versus Virus
略して「VVV」。ちょっと前にやってた「BBB」とかぶるなーと思ってたら、魔物退治ライノベ系で、普段はトロい感じの主人公がキレたら最強ってとこもちょっとかぶってるような…?

魔界退治探偵といった感じの美少女二人組みが、モンスターを倒していくというストーリー。雰囲気は暗めで、どっちかというとBlood+とノワールを合わせたような。

服装はゴスロリ&制服で、ここはセイントオクトーバーとかぶってるか…?

というように、色々と要素は入れてあるんだけど、いまひとつどれも新鮮さが感じられない。2話では特殊な能力のおかげで日常生活から離れていかざるをえない主人公の悲劇が描かれていてけっこう重かったんだけど、むしろ羽を生やしたゾンビという感じの敵モンスターのショボさの方が気になってしょうがなかった。ちなみに監督は「つよきす」の人。んーちょっと厳しいかなー。


■うちゅう人 田中太郎
コロコロで連載していた漫画が原作らしいけど未読。5年くらい前におはスタ内でやっていたアニメを夕方に持ってきたらしい。

平凡な小学校に宇宙人の田中太郎が転校してきて、ハチャメチャをやるといういかにもお子様向けな内容。底の浅いギャグの連発で、個人的にはけっこう好き。記号化の強い絵柄だけど、女の子はそれなりに可愛いよ。しかし24話もあるのか。


■SHUFFLE! MEMORIES
ちょっと前までWOWOWでやってたSHUFFLE!の総集編アニメ。本放映は未見。

とりあえず1話は延々とナレーションで大まかな世界観、キャラクターの関係を説明していくという内容で、正直面白くはなかった。しかし今後はドロドロしていったり、ヒロインが行き過ぎておかしくなるなどの話題を耳にしたことがあるので、とりあえずそこらへんを期待しつつ見ていこー。

…と思ったら、2話でいきなりヒロインの一人の母葬儀&主人公首絞め&カッターナイフ落とし、そして行きすぎなジェラシーといった怖いところをゴトゥーザ様が熱演していて引き込まれた。ふたご姫のレインの妄想演技の時も感じたけど、ゴトゥーザ様の浮世離れした声って、思い込んで突っ走ってしまう役に実にハマるね。

カレイドスターもそうだけど、こういう面白いアニメを総集編として部分部分だけで見ちゃっうのって何かもったいないような気がする。全部放送して欲しいわー。


■ファイテンション☆デパート
バラエティ&ショートアニメという感じで、雰囲気としてはウゴウゴルーガに近いかな。まああそこまでシュールではないけど。

ポイントとしては、フロッグマンショーで話題になったフロッグマンが「電脳戦士 土管くん」で参加しているところ。今回も相変わらずのノリで面白い。他にも数編のショートアニメが流れるけど、そこらへんはまだちょっと様子見か。


■ショートDEアニメ魂
こちらはCDTV風のCGキャラによるナビゲーションでショートアニメを紹介するという内容。それに加えてアニメ作家インタビューみたいなのもあって、こちらの方がインディーズ色が強い。

録画をミスって、ちゃんと見れたのは3回から。「花山院ですが何か?」では妙に2ちゃん用語が使われてて1、2回くらいは笑ってたんだけど、あまり使われると内輪受け感が出てきちゃって鼻につくようになった。難しいわー。


■のだめカンタービレ
漫画やドラマで大人気ののだめが、女性向けを意識したノイタミナ枠アニメに。ドラマを一回だけ見たことがあるだけで漫画は未読。

そもそもラブストーリーが苦手ということで、「ハチクロ」が個人的に好きではなかったので、これもちょっと色眼鏡で見てしまっていた。しかしOPなどの作画は悔しいながらオシャレで洗練されている感じ。

もちろんハチクロも作画は良かったんすけどね。今にして思うと、なんでハチクロがあそこまで受け入れられなかったのか。ラブストーリーとしてなんていうか「見てられないレベル」が異様に高かった「僕らがいた」は全部見たのに。

のだめというキャラクターは、地に足がついていないというかリアリティが無いと思うんだけど、だからこそ漫画として安心して見られる。ハチクロよりはギャグ色が強そうなので…という言い訳をしつつ見ていくかな。